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NPO Bousai Italia について

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歓迎

ようこそ、NPO Bousai Italiaのページへ!! 私達はあなたを歓迎します。

字数: 8008文字

最終更新: 2022年7月1日

記事掲載日: 2022年5月29日

当団体について

当団体は2022年現在任意団体として活動していて、2025年までにイタリアで法人化することを目指しています。メンバーは日本に10人ほど、イタリアに10人ほどいます。全員がLINE (日本)やWhatuApp(イタリア)などの連絡先で繋がっています。参加希望者の方は、原則そのグループに入ってくださることを希望いたします。コミュニケーションの都合上です。

当団体のモットー

当団体の活動にあたり、モットーは「誰にでも回復できる力がある。」です。

ヒーローと聞いて、あなたは誰を思い浮かべますか? 私にはその言葉がぴったりだと思う人が2人いますが、ここでは彼らの名前を書くことはしないでしょう。ヒーローとは、誰かが困っていたらすぐに駆け付け、そしてどんな困難にも果敢に立ち向かう人であると定義することができるでしょう。そして、困難が起きても諦めずに、前向きに人生の課題に取り組んでいくのです。

しかし、そのような力は、私達が実は潜在的に持っているものなのです。もちろん、程度は違うかもしれませんが、あなたは人生の中で起きたいろいろな嫌なことつらいこと苦しいことを乗り越えて、もしくは受け入れて、もしくは騙し騙し、生きているのです。しかし、本当につらいことがあると、立ち直れないと感じることが、少なくとも一度や二度はあるはずです。そのときにまた立ち上がるには、適切なサポートが(それだけではありませんが)必要なのです。逆に言えば、適切なサポートがあることで、立ち直れる可能性は格段に上げられるのです。

しかし、「こんな良いサポートがあったから私は回復できた」といっても、それはサポートのおかげでもありますが、あくまでもサポートはその人の中にある回復する力を援助したに過ぎないのです。私達は、あくまでもそのサポートをすることで劇的に何かを変えるわけではなく、あくまでも本人が持っていた回復力を支えたに過ぎないのです。たとえば、花に肥料を与えたとしても、それだけで花が綺麗に咲くわけではありませんよね。自分で頑張って土の中から芽を出し、咲こうとしているところに肥料という適切なサポートがあるから、花が咲いているわけです。

決して「やってあげたでしょう」という押し付けではなく、あくまでもそっと傍で見守っていただけ、そういうことが私達の理想です。

代表 Honoka Miki について

このコーナーでは代表 Honoka (このブログの管理者)について説明いたします。飛ばしていただいて大丈夫ですが、あくまでもNPOの代表がこんな人だよという紹介になります。

私は、2016年からイタリア語を独学しています。きっかけは2016年のイタリア中部地震です。その被害の映像は、日本にもテレビを通じて流れてきました。半年前にイタリアを旅行していたこともあり、「こないだいた国で、こんなに悲しいことが起きてしまったのか…。」と衝撃を受けました。言葉にできないいろいろな気持ちが、私の中を駆け巡りました。倒壊した家屋ばかりの街。必死に救助する災害救援者。それを見守る家族。それでも空は透き通るほど青かった。あの映像の中の光景は、昨日のことのように思い出します。それを見た私は、いつしか「被災者のためになにかしたい」という思いを抱くようになり、そのためにはまずイタリア語を学ぼうと考え、気が付けばイタリア語を学び始めていたのです。そしてイタリア語を習得したら、被災地支援の方法を学ぶためにイタリアの大学で心理学を専攻したいという夢を持ち始めました。

時が経ち、2019年のある日のことです。私は「なんでイタリア語を学んでいるか」というつまり上記の内容を、Twitterに投稿したのです。そうするとたまたま私をフォローしてくれていたラクイラの方が、「君は素晴らしい」と言ってくれ、それを第一志望校であったラクイラ大学に伝えてくれたのです。そうすると、大学が私の投稿を引用して、「あなたをお待ちしています」と投稿してくれたのです。その投稿は、起きてすぐ開けたFacebookに書いてあり、まさか夢ではないかと思ったくらいです。そして、その投稿を見た新聞社の方が記事にしてくれたのです。そうして私の夢は、ラクイラに伝わり、温かく歓迎されたのです。

2020年。私は大学入試に合格し、無事に夢であったラクイラ大学で心理学を専攻することができました。ラクイラでは多くのことを学びました。ここにはとても書ききれません。どんなに悲しいことがあっても、人生を歩み続けている彼らから、私はたくさんのことを教わりました。貴重な体験でしたし、なにより住んでみることでラクイラの魅力をより深く感じられました。

私達はあまり考えないようにして、人生を前に進んでいくうちに、つらいことを乗り越えてきた

友人

このように語っている友人から、私は「レジリエンス(回復力)」という言葉の意味を理解したのです。

レジリエンスとPTG(心的外傷後成長)

私たち人間は、皆レジリエンス(イタリア語: resilienza)という力を持っています。レジリエンスはしばしばバネに例えられ、精神的困難(disagio mentale)やつらいことや苦しいことといった負荷が重荷となってバネに力を与えても、バネはそれを跳ね返し、もとの自分らしく生きていくことができます。「回復力(forza di rinascere)」とも言い換えることができます。「元の形に戻る復元力、元気、快活、弾力」と説明している本があります。適切な方法でも不適切な方法でも、私たちは防衛機制を使いながら生きていき、そしてそれをうまく使いこなすことができたら、きっとよりよく生きることができ、メンタルヘルスの改善やウェルビーイングにも繋がります。

心の強さには2種類あります。「ストレスへの強さ」と「ストレスから立ち直る強さ」です。後者をレジリエンスと呼び、前者と後者は異なる次元の「強さ」です。前者はストレスがかかった場合(例えば高いところから落とした場合)、ガラスのようにすぐ壊れてしまうか金属のように壊れにくいかというものであり、後者はストレスを受けて(高いところから落とされても)もとの形にすぐ戻れるかそうでないか、という意味です。しかし、まったく同じ形に戻ることは、誰にもできません。

参考: レジリエンスは身につけられるか(著者: 平野真理)

また、PTG(心的外傷後成長)という概念があります。それは「トラウマとなるような出来事で負った心の傷(=心的外傷)の後に成長し、また違う自分として生きていくという意味です。しかし、それは簡単なことではありません。トラウマにより人生は粉々に崩れてしまっているのですから、それを受け入れるだけでも大変なことです。

以下、引用します。

トラウマを経験した後は、「トラウマがなければ歩くはずだった」道はもう歩けません。違う道を見つけて歩いていかなければなりません。その道はトラウマの出来事によって分かれた道なので、うつや大きな恐怖感、悪夢、フラッシュバックなど、PTSDの症状のようなつらいことがたくさんある道です。自分から望んで歩いている道ではないので、「こんなはずではなかった」と思いながら「歩くはずだった」道を眺めてばかりいると、今歩いている道でつまづいたり転びやすくなったりします。

引用: マイ・レジリエンス トラウマとともに生きる(著者: 中島幸子)

伴走者としての私たち

しかし、レジリエンスにしろPTGにしろ、自分だけの力で行うのはとても難しいことです。そのために適切な伴走者が必要なのです。例えば視覚障害者がマラソンをするときには、必ず隣に一緒に走る人がいます。そのような役割を担えるのは、家族や友人や精神科医や心理士などですが、それらのサポートを得ることはときに難しいです。家族は全員が味方とは限りませんし、近い距離であるために言いづらいこともあります。友人は離れていってしまう可能性があり、なかなか正直に打ち明けることは難しいでしょう。精神科医(psichiatri)にはかつて、現在の精神科(SPDC)の代わりに存在していた精神病院(マニコミオ: manicomi)の影響でイタリアではあまり良い印象がない場合もあります。心理士(psicologi)に頼るには費用がかかります(1回のカウンセリングは最低でも40ユーロかかります)。

その伴走車になりたいというのが、私たちの願いです。家族に言いづらいことを言える場所、友人が離れていく不安を抱えずに話せる相手、必要時に精神科医や心理士に繋ぐ橋渡しの役割、それらを私たちが担えたら、こんなに嬉しいことはありません。

生きづらさを抱える人を支えてつなげる

ピアサポートという言葉を知っていますか? ピアとは「同じ立場の人」といった意味の言葉です。ピアサポートとはつまり、当事者である患者さん自身が互いに支え合うことを意味します。患者さんだからこそ、病気や精神的困難に関わる偏見などがなく、率直に話すことができます。

イタリアの精神科医であったフランコ・バザーリア(Franco Basaglia)は、「医師と患者という立場の違いが浮き彫りになるようなマニコミオでは、患者さんのためになる医療を行うことができない」という趣旨の発言をしています。医師が患者を拘束し(身体拘束だけに留まりません)、マニコミオという場所に閉じ込めておくことは、患者さんの自主性や自律性、そしてレジリエンスの機会を奪ってしまうことだと私(代表であるHonoka Miki)は考えます。そのため、SPDCでの入院は期間が最小限になるだけではなく、身体拘束などの拘束をなるべく使わない医療へと方針転換しているのです。

参考: いますぐ彼を解きなさい(著者: Giovanna del Giudice)

そして、精神的困難や精神疾患などの生きづらさを抱える人たちを孤立させず(つまり、望まない孤独から彼らを解放し)、彼らどうしを、そして彼らと私たちを「支えてつなげる」ことが、私たちが目指す未来です。

これらの価値観は私たちがとても大切にしているものです。

活動の3つの柱

ここからは、私たちが実際に行っている活動、もしくは行いたいと考えている活動について紹介します。

私たちの活動には3つの大きな柱があります。これらの活動のことをyamabukiというプロジェクトネームで呼んでいます。旧称はNPO yamabukiでしたが、現在はNPO Bousai Italiaに変更しています。ご了承ください。これらの柱は独立した3本の大きな木のようで、それから枝葉に分かれた小さな活動やプロジェクトが多数あります。

「防災」を世界共通語にするという私たちの願い

最初の柱は、防災です。NPOの名前にもなっている「防災」という日本語は、「災害に事前に備えるための行動」という意味があります。実際に災害が起こってからの対応(ポストベンション)ではなく、災害を未然に防ぐことや、災害が起きても被害を最小限にするためのこと(プリベンション)です。そして、私たちの目標は、この「防災」という言葉を世界共通語にすることです。「防災」という日本語の概念が世界中に浸透し、そして世界中の人たちがあらゆる災害に対して備えることにより、これからの未来を確実に良い方向に変えることができるでしょう。災害で命を落とす人がいれば、彼らの死を悲しむ人(グリーフとは死別のような深い悲しみを指す言葉です)だけでなく精神的困難を新たに抱える人や、もともと持っていた生きづらさや精神的困難がさらに酷くなる人もいるでしょう。私たちは、そのような人をひとりでも減らしたいと考えています。

しかし、「災害に事前に備えましょう」と説明しても、防災という文化がないイタリアにとっては、とても難しいことのように思えます。例えばあなたが「明日までにWebアプリケーションを作るように」と言われても、適切なガイドがないと難しいでしょう。私たちは、そのガイドという役割を担います。イタリアは、避難訓練も満足になされず、防災グッズが入ったバッグをベッド脇に置く習慣もなく、災害用に食料を備蓄することもないような国です。

なぜノルチャでは被害が少なかったのに、アマトリーチェでは被害が拡大したのか

さらに、イタリアには耐震性のない建物があまりにも多いです。そもそも、歴史的建造物や観光地が多いイタリアにとって、RC造と呼ばれる耐震性の高い建物を持つことは、独特の景観を損なうことになってしまいます。そのため、アマトリーチェ(Amatrice)などの街では長らく適切な耐震補強がされていなかったのです。それに対しノルチャ(Norcia)においては、過去の震災から建築物の耐震性を高めることの大切さを学んでいました。そのため、ノルチャでは震災の直接的な被害により命を落とした方がいませんでした。イタリアではマグニチュード6程度の地震が起きると、建物に壊滅的な被害が起きてしまい、その結果として建物倒壊により命を落とす人の存在が生まれてしまうのです。アマトリーチェとノルチャの例は、100年前に起きた出来事ではなく、6年前の2016年に起きたことなのです。私たちが目指すのは、そしてイタリア人の悲願は、ノルチャのような街を増やすことでしょう。

しかし、いきなりイタリア全土の建物を耐震化させることは、当団体の小さな力ではとても実現不可能な目標に見えます。そもそもアマトリーチェなどの街では防災文化が根付いていなかったということもありますが、何よりも耐震工事により景観を損ねてしまうことにより観光客が来なくなってしまうことを恐れていたために起きてしまった悲劇です。その背景には、「観光客や地元住民が耐震工事によって被る様々な弊害や不便さや負担(例えば金銭的負担)」と「耐震工事をして安心で安全な街を作ること」を天秤にかけたときに前者を大切にしたということが言いきれます。しかし、もし防災の必要性や具体的な方法、つまり防災文化が根付いていれば、この決断を変えられたかもしれないのです。

防災文化を根付かせるために

私たちが意味する「防災文化の構築」という言葉は、個人や集団で行うことができる比較的容易な対策という意味になります。そして、もしイタリアに防災文化が根付き、災害に事前に備えることの必要性が市民に広く認識されたら、耐震設計の建物や国家規模の災害対策が行われるようになるでしょう。

決して誇張ではなく、イタリア人に「私は日本から来た」と言うと、「日本は災害があってもあまり被害が出ない国でしょう」と言われることが頻繁にあります。そして、「そんなことはイタリアにはできないと思う、あなたたちは私たちよりも100年先を歩いているから」と言われます。しかし、日本では可能なことがイタリアでは不可能だとは思いづらいです。正しい方法と適切な援助さえあれば、いつかイタリアも防災文化が根付いた国になると、私たちは強く信じています。

具体的な活動と必要になるもの

私たちが具体的に行う防災文化の浸透のための活動は、以下に列挙するようなものになります。

1 災害に事前に備えるために、個人および小さな集団内でできる具体的な活動について紹介する。

2 日本国内および国外の被災者などから得た具体的なアドバイスをイタリアに伝える。

3 避難訓練などの活動や具体的な方法を紹介する。

これらの活動において必要となるのは、以下に列挙するようなものになります。

1 Webメディアなどの媒体(サーバー、ドメイン、画像、映像など)

2 被災者などの意見を投稿できる場所

3 InstagramなどのSNSとその運用

心理学

私たちは、被災してしまった方(terremotati)のことも大切に考えています。2つ目の活動の柱は心理学です。

イタリアの被災地で起きてしまった15件以上の震災自殺

被災者は、生きづらさや精神的困難を抱えてしまうことがあります。それがときに望まない孤独やトラウマ等による精神疾患、そして自殺という悲しい結果を招いてしまいます。残金なことに、2016年のイタリア中部地震において、15件以上の震災自殺が起きてしまったことが報じられました。

出典:

Un sisma che ha ucciso e che continua a farlo: 15 suicidi in due anni - Picchio News - Il giornale tra la gente per la gente
Un sisma che ha ucciso e continua a farlo. È di pochi giorni fa, dello scorso 22 novembre, l'ultimo suicidio, il quindicesimo, che...

自殺に繋がった理由は、被災により地域社会というコミュニティが破壊され、仮設住宅(SAE)などの中で被災者が孤独を深めてしまったということも、ひとつの要因でしょう。もちろん、一般的に自殺は複数の要因が(ときに本人が認知していないこともあります)複雑に絡み合った結果として生じるものです。そのため「震災があったから自殺した」という言葉は、誤解を招きやすいものです。震災はあくまでひとつのきっかけや理由にすぎません。しかし、確実に震災が影響しているケースも多いのが実情です。

被災者が抱える孤独と新型コロナウイルスの感染拡大の影響

ヴィッソ(Visso)という街では、仮設住宅SAEで、新型コロナウイルスの感染拡大により、被災地内や被災地外に住んでいる家族などとではなく、ひとりで過ごさなければならなかった2020年のクリスマスは最も悲しいものだったと、被災者の方が語っています。

出典:

Visso,
All'emergenza del sisma si somma quella legata alla pandemia. "Per noi terremotati sarà il Natale più triste, trascor...

被災地を中長期的に支援する意義

これらのことは、震災後すぐに起きる場合もありますが、中長期的に続いてしまうものです。最後の例では、新型コロナウイルスの感染拡大がさらに追い打ちをかけていることが容易に想像できます。そのため、「災害の直接的な影響が終わったからもう被災地は再建するだろう」という考えがあまりにも楽観的であることに気づきます。もちろん、災害直後の対応も大切ですが、中長期的に被災地や被災者に寄り添うことも、とても大切なのです。そして、それをしている団体が少ないことを私たちは述べなければなりません。被災地への関心は発災から時間が経つにつれて薄れてしまい、そのぶん支援の数も減ってしまいます。しかし、それで被災地が復興したわけでもなければ、被災者の心の傷などの問題が解決したわけでもないのです。

被災地の復興は、まだ進んでいない

これは2016年のイタリア中部地震の例ですが、残念ながら被災地の復興はまだかなり最初の段階です。2022年の夏で発災から6年を迎えますが、想像以上に復興が進んでいないのです。被災地の中心街はいまだに悲惨で惨たらしく、言葉を失うような光景が広がっています。立ち入り禁止区域(zona rossa)になっている地域も多くあります。「復興はまだ途上だ」と語っている記事もあり、それは被災地の実情と合致しているでしょう。

出典:

Centro Italia. Tre anni dopo il terremoto, immagini di un abbandono / IL VIDEO
il 24 agosto il sisma colpì decine di piccoli Comuni. Le macerie ci sono ancora, le frazioni sono abbandonate...

そして、このzona rossaという言葉は、新型コロナウイルスの感染拡大においても使われることになりました。ロックダウンで街中を自由に歩くことができなくなった様子をzona rossaという同じ言葉で、政府が表現したのです。

2009年のラクイラ地震で被災したラクイラの市民は、「震災とコロナウイルスという、2つのzona rossaに象徴される未曾有の事態を私たちは経験している」と語っていました。

そのラクイラの復興も道半ばです。2022年の春で13年が経ちましたが、実際の物理的な復興は半分程度しか進んでいないといわれています。

出典:

Ricostruzione ancora a metà - Magazine
Tornano candidi palazzi e Chiese, ma le scuole non sono ricostruite e nel centro manca la vita vera. Tanto è stato fatto, molto resta da fare

アマトリーチェの高齢者は、気軽に病院を受診できません。震災により地域医療にも大きな影響が生じたためです。「病院もなく、私たち高齢者には何もない」と語っている被災者の方がいます。

出典:

Amatrice, i residenti a due anni e mezzo dal terremoto: 'Per noi anziani non c'è nulla, nemmeno l'ospedale'
Elisabetta, Piera, Italo: sono alcuni dei residenti di Amatrice che a due anni e mezzo dal terremoto che ha colpito il centro Italia il 24 agosto del 2016 racco...

さらに、ラクイラの人々(aquilani)の心理的な復興についても、発災後13年が経っても「傷が癒え始めた」という表現にとどまっています。

出典:

L'Aquila: salute mentale, «A 10 anni dal sisma le ferite iniziano a guarire»«»
Aquilani popolo di resilienti a 10 anni dal sisma che nel 2009 ha distrutto la città e il suo tessuto sociale. A confermarlo è la professoressa Rita Roncone, di...

震災によって倒壊したり被害を受けたりした住宅や教会などの建築物を復興させるという従来の「復興」という概念に加え、「こころの復興」という概念があります。心理的に被災者がレジリエンスなどにより回復することを指す言葉です。

それに関しても私たちが伴走者となりともに成し遂げていきたいと考えています。

具体的な活動と必要になるもの

私たちが具体的に行う被災者の心理社会的支援のための活動は、以下に列挙するようなものになります。

1 オフライン及びオンラインで、被災者などが集まれる共有スペースを作り、運営する。

2 被災者に対し、心理的援助を受けることを少しでも容易にさせるような情報やセルフケア等の情報を発信する。

3 被災者の自助グループを作成し運営する。

これらの活動において必要となるのは、以下に列挙するようなものになります。

1 Webメディアなどの媒体(サーバー、ドメイン、画像、映像など)

2 オンライン及びオフラインで被災者などが集まることができる場所(部屋など)

3 InstagramなどのSNSとその運用

芸術には、再生への力がある

3番目の柱となる活動は、芸術です。私たちは、芸術には、作品を作る過程で気持ちを整理し、昇華することにより、再生へと繋がる力があると信じています。ここでは被災者に限らず精神疾患のある方も対象にし、芸術についての活動を行います。そして、芸術で作った作品をお金にすることで、金銭的な援助も兼ねています。

作品とは具体的に、書籍(エッセイや小説等の出版)、写真、絵画、音楽などのもので、それらを実際につくっていきます。それだけではなく、彼らが体験したことや感じたことなどを文章にする作業を通して、彼らに起きたつらい気持ちを整理することもできるでしょう。

実際に手を動かすことで、嫌なことやつらいことをあまり考えずに、楽しいことに没頭できるでしょう。そのように、しんどい気持ちになったときには何か楽しいことをするということも、とても大切なのです。実際に日本などの精神科の病院では、作業療法(OT)といって、作品をつくることも行われています。日本の場合、作業療法には専門の職業である作業療法士がいます。私が入院したイタリアの精神科病院(SPDC)では作業療法は行われていませんでした。しかし、病棟(SPDC)内ではなく地域の中で作業療法に準じたことができれば、それはきっと彼らの回復や再生につながることでしょう。冒頭に引用したフランコ・バザーリアの言葉のように、病棟という限られた場所で行える治療は限られていますし、患者さんの自立や自律の機会を奪ってしまうかもしれません。私たちは、地域で支え合い地域に居場所を見つけることが、患者さんのために良いと考えます。

経験を昇華するための作品(とくに書籍)

Il Peso della Neveという本では、2017年に起きた地震の影響で起きたホテル・リゴピアノ(Hotel Rigopiano)の雪崩事故から生還した家族が体験を語っています。その本の中には「経験を本という形にしてまとめることは、セラピーの役割もある」と心理士から言われたと書いてあり、実際にその効果が期待できるでしょう。彼らは非常に複雑な記憶を抱えています。私はミニマリストを目指していてその過程でたくさんのものを捨てましたが、例えば部屋を整理するときにも、一度すべてのものをある場所に出してからそれを「捨てるか、必要か」に分け、整理し、収納することが最も簡単でかつ効果的な方法です。それを脳で行うとすると、記憶を誰かに語ったり文章などにまとめたりすることが、この作業に相当します。

しかし、これをすべてひとりでやろうとすると、つらい記憶を思い出すわけですから、しんどい気持ちが蘇ってしまうでしょう。そのため、協力してくれる人を募り、彼らと一緒に作品を作っていくことが大切なのです。

具体的な活動と必要になるもの

私たちが具体的に行う芸術への昇華のための活動は、以下に列挙するようなものになります。

1 作品を作り販売する(オフライン、オンライン)。

2 体験を語れる場所を作る。

3 作品を世界中に発信する。

これらの活動において必要となるのは、以下に列挙するようなものになります。

1 Webメディアなどの媒体(サーバー、ドメイン、画像、映像など) この場合オンラインショップを作ることになるので、その決済等の仕組みも作る必要があります。

2 オンライン及びオフラインで作品を展示及び販売できる場所(部屋など)

3 InstagramなどのSNSとその運用

そして世界へ

ここまで書いてきたのはイタリアと日本という限られた国のことだけでしたが、活動の基盤ができたら活動を世界中に広げていきたいと考えています。とくに被災した体験については、世界中に生かすことができる貴重な資料になるでしょう。

さいごに

以上に紹介したことを実現するには、たくさんのことを必要とします。私たちは、あなたが協力してくれることを心から喜び、そしてお待ちしています。

詳しい内容はメール(bousai.italia ☆ gmail.com ☆はアットマークに変換)にてお話しできると思います。このメールアドレスに連絡をくだされば嬉しいです。喜んでお返事いたします。

SNSのフォロー

私たちの活動にはSNSが不可欠です。メンバーになって活動する前に、SNSのフォローをして実際の活動を知りたいという人がいたら、嬉しいです。

Twitter: @bousai_italia

Facebook: NPO Bousai Italia

Instagram: @hopauradeiterremoti

文書

こちらの文章では、これらの内容を簡潔に紹介しております。ぜひご覧ください。

画像

画像で見たい方はこちらです。

コメント / Commentare

  1. 才間夏葵 より:

    初めまして
    私は日本からトリノ工科大学の建築コースに一年間(8月まで)の留学に来ている才間夏葵と申します。
    このブログを始めて読みました。私は震災復興について研究をしているのですが、震災という喪失体験をした人の本質は家族や家を失ったことではなく、コミュニティの崩壊や愛着のある場所の喪失によるものと言われています。日本では東日本大震災の後に多くの人が自殺していることが非常に気になり、震災復興の方法に問題があるのではないかと考えています。そこで歴史的価値を大切にするイタリアの震災復興には何かヒントがあるのではないかと考え、今調査をしにラクイラにきています。6月22日から来ていろんな住民に震災前後での愛着のある場所の変化やライフストーリーについて聞いています。その中でcomera,doveraという考え方があるということもわかりました。震災復興計画と心理的支援は切り離して考えるものではないと考えていて、ラクイラで実施されている心理的支援の内容についても調査をしたかったのですが、なかなかコンタクトが取れず困っています。ラクイラは明日6月26日の夜に去る予定ですが、お時間があったら、オンラインでもいいのでお話を聞くことはできますか?

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