こんにちは。
海外に「現代文」という科目があるのかわからないので、この記事は日本語のみに対応しています。
現代文(国語)は、「作者の気持ちを考える」科目ではない
私は発達障害があるので、他人の気持ちがわかりません。
泣いていたら悲しい、笑っていたら嬉しいといったことはわかっても、言葉の背後にある気持ちを考えるのが苦手です。
高校受験のときに通っていた塾で、「発達障害持ちには国語なんて難しいですよね」といったら、先生にこう言われました。
「国語は、作者の気持ちを考える科目ではないよ。作者の気持ちなんて、作者にだってわからないんだから」
とってもびっくりしました(小並感)。
現代文(国語)は、「行間を読む」科目ではない
同じ先生に、こう相談したことがあります。
「私は発達障害で行間を読むのと空気を読むのが苦手で、小学生の時に『空気に文字なんて書いてないでしょう』と言って先生を困らせたことがあります」
先生からは、こう言われました。
「現代文(国語)は、行間を読む科目ではないよ。書いてあることをそのまま答えればいいんだよ」
とってもびっくりしました(小並感)(既視感)。
現代文とは、書いてあることをそのまま答える科目である
現代文の問題は、必ずこういったつくりになっています。
問1
次の文章を読んで、以下の問いに答えてください。
文章開始 ===
こんにちは。
海外に「現代文」という科目があるのかわからないので、この記事は日本語のみに対応しています。
(以下略)
文章終了===
出典: 入試直前! 共通テスト等の現代文(国語)の成績が上がらないひとが読むべきブログ
作者: Honoka Miki
まあ、ブログが出典になることはありませんが…笑
ここで、必ず書いてあるのは、次の問題を読んで、以下の問いに答えてください。という一文です。
つまり、文章中に書いてあることが答えになるのであって、あなたが考えている常識や、一般的に考えられている考え方や、あなたの好き嫌いが答えになることは決してないのです。
たとえば、筆者が「現代文は簡単だ」と書いていたとき、選択肢が「1 現代文は簡単だ」「2 現代文は難しい」とあったとしましょう。たとえあなたが現代文を難しいと思っていたり、あなたのクラスで現代文が簡単だと言っているひとがいなかったり、あなたが現代文を嫌いだといったりしたことで「現代文は難しい」という選択肢に〇をつけるのではなく、あくまで「文章中で筆者がどう言っているか」が答えになるのです。「私は現代文なんて大っ嫌いだ、難しいじゃん」という理由で「現代文は難しい」に〇をしてはいけないのです。
また、筆者が「世界平和なんて不可能だ」と言っていたとしましょう。ここであなたが選ぶべき正答は「筆者は世界平和が不可能だと思っている」であり、「私は世界平和は簡単だと思う。だってみんな望んでいるでしょう?」ではないのです。あくまでも筆者が言ったことが答えになります。あなたの意見は問われていないのです。
ここであなたが、「世界平和が不可能だと言ってしまうなんて、戦争が起こっている地域のひとがかわいそうで不憫じゃないか」と思ったとしても、あくまでも筆者の意見が聞かれているのであって、もっと言えば文章中に書いてある筆者の意見が書かれているのであって、あなたの意見が聞かれているわけではないのです。もし「不憫だ」と思うのであれば、「筆者は薄情で現実的なひとなんだな」と内心で思っていればいいのです。
また、筆者のほかの本を読んだことがあるとして、そこに正反対の意見が書いてあるとしましょう。もしくは、ほかの著者の本で正反対の意見を読んだとしましょう。たとえば「現代文は難しい」とか「世界平和は実現可能だ」といったことです。ただ、あなたが試験時間内に答えるべきなのはあくまでも目の前にある文章に対する回答なので、「5年前の本には正反対の意見が書いてあったじゃないか」なんていうことは理由になりません。
だから、しつこいくらいに「次の文章を読んで、回答してください」と書いてあるのです。
小説の場合でも、答えは必ず文章中にある
小説であっても、本文中に必ず答えは書いてあります。
行間には答えは書いていません。
「母が死んで、私は一晩中母を想って泣いた。母のことが大好きだったから、今日の寒さが身に染みて、なにもしたいと思えない。母は私の全てだった。厳しいことを言われたけれど、いまでも大好きだ。」と書いてあれば、もしくは前後の文脈から読み取れれば、「この主人公は悲しんでいる」が答えです。「お母さんが毒親だったからきっと酒の肴にでもしていい思いしてるよ」なんて深読みはしてはいけないのです。そんなことは本文に書いていないのですから。
もしくは、「母が死んだが、私は母に殴られ蹴られ育ってきたので、やっと呪縛から解放された気がした。今夜ばかりは紹興酒が美味しかった。明日からの毎日がより輝くだろうと考えながら笑顔で寝床についた。今日は久しぶりにこころから笑うことができた。」と書いてあれば、「この主人公は喜んでいる」が答えです。「母親が死んだのに喜ぶなんて最低なひとだ」と思ったとしても、それが本文中に書いてあれば、もしくはそう読み取れたら、それが答えなのです。
先ほどの例をもう一度見てみましょう。
「母が死んで、私は一晩中母を想って泣いた。母のことが大好きだったから、今日の寒さが身に染みて、なにもしたいと思えない。母は私の全てだった。厳しいことを言われたけれど、いまでも大好きだ。」
「厳しいことも言われた」と書いてあるからといって、「主人公は母親を嫌いだった」とは言い切れません。愛の鞭である場合もあるからです。その証拠に最後に「いまでも大好きだ」と書いてあるではないですか。こういったときに、たとえ文章の一部分に「嫌い」と思わせる要素があったとしても、大意は「母を好きだった」わけですから、答えになるのは「母のことが好きだった」なのです。「厳しいことを言われて、ずっと抑圧されて、支配されて、かわいそうに。嫌いになったに違いない」なんていうのは深読みなのです。小説であろうと、あなたの意見や気持ちは一切聞かれていないのです。
これで点数上がること間違いなし、私も使っているお勧めの参考書(大学受験用)
現代文(国語)は、とにかく問題数を積むことでコツをつかむ必要があります。
習うより慣れよ、質より量という科目、それが現代文(国語)なのです。
とにかく多くの文章に触れ、良い問題と良い解説に触れることがなによりも大切なのです。
以下で、私が使っている参考書をお勧めします。
入試現代文へのアクセス 基本編
入試現代文へのアクセス 基本編 (河合塾シリーズ) 単行本 – 2013/7/1
荒川 久志 (著)
5つ星のうち4.3 675個の評価
解説がとても丁寧で、問題もわかりやすく、読んでいて楽しい文章が多く出てくることが特徴です。
流石は受験に精通している河合塾です。
用語の解説もあり、痒い所に手が届く参考書です。いちいちわからない言葉を辞書で引くよりもわかりやすいのです。
解説では文章のおおまかな流れや要約も書いてあり、とてもわかりやすいのです。
この参考書は、自学自習にぴったりです。
《改訂版》田村のやさしく語る現代文
《改訂版》田村のやさしく語る現代文 単行本 – 2020/6/24
田村 秀行 (著)
5つ星のうち4.4 222個の評価
この参考書も、有名なもので、とても分かりやすい解説がうりです。
「なんだ、簡単じゃないか」と最初の解説を読んで思うかもしれませんが、問題は良問が多く、難しいです。
現代文ってこういう科目なのか、これを必要とされているのか、ととてもびっくりして納得する解説です。
全国大学入試問題正解 国語(国公立大編)
2022年受験用 全国大学入試問題正解 国語(国公立大編) 単行本(ソフトカバー) – 2021/6/24
旺文社 (編集)
5つ星のうち4.7 5個の評価
この参考書は、6000円しますし評価の数も少ないのですが、とても良い参考書です。前述の先生にお勧めされたものです。
「全国大学入試問題正解」と書いてある通り、全国の国公立大学(私立大学バージョンもあります)の大学入試の問題と解答が書いてあるのです。赤本を買うより、圧倒的にたくさんの問題数に触れることができます。330ページを超える安定の量です。また、高校受験用のバージョンもあります。
2021 2022年受験用 全国高校入試問題正解 分野別過去問 532題 国語 現代文・古文・漢文 単行本(ソフトカバー) – 2020/6/12
旺文社 (編集)
5つ星のうち4.0 27個の評価
コメント / Commentare