日本人とイタリア人が考える「食べ物を無駄にした」といったことや「食べ物を台無しにした」ということは、大きく異なります。その代表的な存在が、イタリア人が毎日のように食べているスパゲッティです。
スパゲッティという単語は複数形なので、定冠詞は”gli”を使います。”il spaghetto”などとはふつう言われません。スパゲッティが1本だけで茹でられたり食べられたりすることはまずないからです。
しかし、イタリア人の目の前でスパゲッティを半分に折ると、イタリア人は必ず表情を変えて激怒するか、心の中で相手には伝わらないだろう強い感情を持つでしょう。もしくは、「スパゲッティを台無しにした!」と嘆くかもしれません。イタリア人は、「スパゲッティを半分に割る人などイタリアには誰もいない」「イタリア人がスパゲッティを半分に割った瞬間にイタリア政府は市民権を取り上げるべきだ」「食べ物を無駄にした」と言います。
そして、彼らはこう言います。「スパゲッティは半分に折られた状態で売られてはいない。スパゲッティが作られ、輸送されている間も、たとえそれが不便でも、そうやって食べるのが美味しいし、それがスパゲッティの歴史なのだから、私達がそれを変えてしまったり一番美味しい方法で食べなかったりするのは、本当にもったいない:と。
コメント / Commentare