こんにちは。ほのかです。私はこのままイタリアでの就職を考えています。できればPoste Italianeで働きたいのですが、それが無理ならどんな仕事でもして、とにかくイタリアに残りたいと思っています。その過程で私の語学力(日本語、英語、イタリア語)が生かせれば一番いいなと思っています。しかし、現実はそう簡単なものではありません。
イタリア人は皆「就職難だから仕事がない」と言います。言葉も不得手で雇うために滞在許可書も必要な外国人を雇うよりも、イタリア人を雇ったほうが企業にとっては簡単ですよね。ところで、日本の街中を歩いていると、あちこちで求人の広告を見かけます。多くはアルバイト(有期雇用)ですが、正社員(無期雇用)の広告も見かけます。一方、私がイタリアに住んでいるこの1年近くの間、街中で一度もそのような広告を見たことはありません。

イタリアで働いてみたいけれど、現実はどうなんだろう
この記事では、日本とイタリアの労働、仕事に関する事柄を徹底的に比較していきます。
失業率
日本の失業率
日本の完全失業者は206万人で、日本の失業率は約3パーセントです。日本の大学を卒業した学生が就職先に困ったという事例は、私の中では聞いたことがありません。それは日本の大学がイタリアの大学と比べ、就職をサポートすることに力を注いでいるからです。私は「就職予備校と化した大学」のことが好きではありませんが、やはり仕事を探して路頭に迷うことがないという点では評価できることかと思います。


少なくとも私の周りには、失業中の学生はいません。
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イタリアの失業率
イタリアの失業率(tasso disoccupazione)は、ISTATのデータによると約10パーセントです。非公式なデータですが、若者の失業率は特に高く、4割から5割ほどに達するともいわれています。そのため、イタリア人の自立は遅れ、中には30歳を超えても両親の家に住んでいる人もいます。私の友人でも、そのような人をちらほら見かけます。仕事がないため給料を得られず、親の年金に頼って生活している人は、イタリアでは少なくはありません。

イタリアの大学生はアルバイトをしない
また、大事な点がひとつあります。
日本の大学生は、アルバイトと学業を掛け持ちしている場合が多いですが、イタリアではそうではありません。そのため「勉強しているの?それとももう働いているの? (Studi o lavori?) と聞かれます。

えっ、日本人は勉強もしながら働いているの!すごいね!
仕事のオファーの数
ここでは、日本でもイタリアでも使われているindeedというサイトを利用して調べます。
勤務地を日本に設定すると、約400万件の仕事のオファーが見つかりました。
勤務地をイタリアに設定すると、約15万件の仕事のオファーが見つかりました。
indeedではなくlinkedinでも調べてみます。
勤務地を日本に設定すると、約40万件の仕事のオファーが見つかりました。
勤務地をイタリアに設定すると、約15万件の仕事のオファーが見つかりました。
linkedinは日本ではあまり使われていないので、このような結果になったのだと思われます。
平均年収
日本の平均年収は約400万円で、これは約30000ユーロにあたります。日本では同じ会社に長く働いていると年収が上がる、年功序列というシステムを使っている会社が多いです。そのため、50代の平均年収は約600万円になり、これは約45000ユーロになります。男女別に見ると、男性の年収は約550万円、女性は300万円です。女性が専業主婦になる割合が高いこと、非正規雇用が多いことなどが理由です。

イタリアの平均年収は約30000ユーロです。
郵便局で働く方法
日本の場合、中卒でも郵便局で働けるようです。郵便配達員の年収は約300万円(約23000ユーロ)です。

イタリアの郵便局(Poste Italiane)も日本の郵便局も、昔は国営企業でした。そのため、特にイタリアでは、安定した仕事であるため郵便局で働きたい人は多いです。私はPoste Italianeに履歴書を送りました。その際、イタリアの高校卒業試験(maturità)で100点満点中70点を取る必要があります。これを日本人に馴染み深い評定平均に換算すると3.5となります。私はイタリアの高校を卒業していませんが、友人達によると、70点を取ることはとても難しいといいます。また、大卒で応募する場合は、110点満点中102点が最低ラインなのですが、これはさらに難易度が上がります。たとえ郵便配達員(portalettere, postino)でも、学歴が必要です。つまり、中卒ではそもそも郵便局では働けません。年収は約30000ユーロです。
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