私は万年筆が大好きで、現在4本を持っています。シャープペンシルやボールペンにはない魅力が万年筆にはあるので、万年筆の奥深い世界の断片をあなたにも紹介できたらと思います。
1 インクの色がほぼ無限で、好きな色を楽しめる
万年筆はカートリッジ式とインク式があり、あなたがイメージしている「万年筆」は後者だと思います。カートリッジ式とはプリンターのようにカートリッジの中に入ったインクを交換する方式で、インク式はコンバーターという器具を使い、インクを汲み上げて使う方式です。どちらにも対応している万年筆が多いです。カートリッジ式はより手軽で、利便性がありますが、インク式の万年筆には俗に「インク沼」と呼ばれるほど深い魅力があります。
インクは赤、青、緑、黒などが一般的ですが、それ以外にもたくさんの色があります。インク専門店もあり、好きなインクの色をオーダーメイドで注文することもできます。インクによっては、混ぜ合わせることもできます。そのため、自分の好きな色で文字を書けるという、シャープペンシルやボールペンにはない魅力があります。
ちなみに、私が一番好きな色はブルーブラックという、紺色に近い色です。落ち着いている色なのでリラックスできます。
2 書いていて疲れにくい、長時間書くのに向いている
友人の勧めではじめて万年筆を買って文字を書いたとき「これは人生を大きく変えるな」と直感しました。文字が書きやすいのです。長時間書いても疲れにくく、書いていて楽です。これは長々書くよりも一度万年筆を使ってみてくだされば、すぐにわかります。万年筆自体は少し重いかもしれませんが、書いてみるとその重さと書き心地の楽さのギャップに驚くでしょう。
3 何年も使うことができて、経済的
万年筆は日本語では「1万年書くことができる筆」という意味です。その名の通り、何年も使うことができて、とても経済的です。最初に買う時の初期費用はかかるかもしれませんが、一度セットを揃えてしまうと、あとはほぼ無限に書くことができ、インクを取り換えるだけで良いのです。カートリッジ式よりもインク式のほうが、格段にインク代が安いです。そして、万年筆には専用の業者がいて、彼らが修理を受け入れています。ある程度高い万年筆を買うと、そういった業者がメンテナンスを手伝ってくれるので、ほとんど買い替える必要性がなくなります。
4 メーカーごとに個性がある
万年筆にはメーカーごとに個性があります。例えば日本のメーカーであるパイロットと、ロンドンのメーカーのものでは、書き心地が違います。これは紙を変えるとすぐにわかります。日本の紙に書くなら日本のメーカー、ヨーロッパで買った紙に書くならヨーロッパのメーカーのほうが書きやすいです。この違いも、実際に試してみてほしいです。
5 オーダーメイドが容易
万年筆の値段が高ければ高いほど、オーダーメイドが容易になり、あなたが好むような書き心地に近づけることができます。オーダーメイドの万年筆を作っているメーカーもあります。安い万年筆でも、使えば使うほど手になじんで、使いやすくなります。
6 初心者でも楽しめる
万年筆は安いものが最近は増えてきました。そのため、昔よりも格段に敷居が低くなっているのです。カートリッジ式なら手を汚さずに、初心者でもボールペンのような感覚で万年筆の世界を楽しむことができます。アマゾンでは、1本20ユーロほどのものを選ぶと、初心者向きで書きやすいです。それよりも安いものは、粗悪品であるリスクが高まります。20ユーロは、高いボールペンと同じくらいの値段ですよね。意外と万年筆は安いのです。
7 安い万年筆でも書きやすく、万年筆の世界を知れる
先ほども書きましたが、最初に試す万年筆が高価である必要はありません。こんなに書きやすいのかと感動するために、まず比較的安いものから試してみてください。
8 文字を書く癖が出やすい
万年筆を使うと、書き癖がよく出ます。そのため、慣れてくれば、あなた本来の文字を書くことができます。慣れるまでは少し大変かもしれませんが、一度コツをつかむとすぐにあなたらしい文字を書くことができます。そのため、万年筆で書かれた手紙は、シャープペンシルなどで書かれたものよりも温かみと人間らしさを伝えることができます。
9 世界各国に愛好家がいる
万年筆は世界各国にファンがいます。そのため、例えば日本で買った万年筆をイタリアに持っていくと、イタリアのお店でも直してもらえることが多いです。そのうえ、世界各国にファンがいるため、「万年筆が好き」と伝え相手もそうなら、すぐに友人になることができるでしょう。万年筆についての情報は、英語やイタリア語など、世界各国で書かれています。
10 お気に入りの万年筆を探すのが楽しい
万年筆にはそれぞれの特長があるので、あなたのお気に入りの1本を探すのがとても楽しいです。それは終わることのない旅で、そして多くの紆余曲折を経て、やっと「これを私は探していたんだ!」と思える万年筆に出会えた時の喜びは、とても言葉にできません。
コメント / Commentare