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This blog is written by a blogger and YouTuber, a university student currently living in Kyoto and Rome, about studying abroad in Italy and other thoughts and feelings.
京都とローマの二拠点生活をしているブロガー兼YouTuberである大学生が、イタリアでの留学生活やその他感じたことについて書くブログです。
Questo è il blog di una studentessa universitaria, blogger e YouTuber che vive a Kyoto e a Roma, che scrive della sua vita da studentessa in Italia e di altre cose che sente.

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自動翻訳がある時代に、なぜ英語や外国語を勉強するのか – 翻訳者が教える、その意義と楽しさ

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train by trees against blue sky lingua – 言語 – language
Photo by RAJAT JAIN on Pexels.com
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インターネットの恩恵を受けた現代

ご存知のように、インターネットにより多くのことがより効率的にできるようになりました。翻訳もそのひとつです。Google翻訳やDeepL翻訳があるこの時代に、メールやチャットや事務的な文章などすべてを、思いのままに翻訳することができるようになりました。これらの技術は、向上していくことが容易に予測できます―10年前のGoogle翻訳は酷いものでした!!―。インターネットにより、より簡単に外国語で書かれた内容を理解することができるようになりました。以前は、辞書を引かなければならなかったのですから、飛躍的に利便性は向上しました。

このような時代に、英語などの外国語を苦労し学ぶ意味はあるのでしょうか? 私が情熱をもってしているこの翻訳者の仕事もそのうちAIが行うだろうといわれています。事実、自動翻訳の文章を校正するMTPEという部門もあるくらいです。私は、自信を持って「意味がある」と答えられます。その理由を、この記事で紹介していきます。

外国語を勉強する理由1: 自動翻訳では伝わらない意味の違いを理解するため

自動翻訳では、もちろん間違いもあります。しかし、難しい言葉になればなるほど、微妙なニュアンスを伝えられる言葉であればあるほど、自動翻訳が無意味になってきます。いくら精度が向上しているとはいえ、自動翻訳は万能ではありません。たとえば言語Aで書かれたBとCという2つの単語、もしくはフレーズを、自動翻訳が、言語Dにおいて同じEという訳で返すことがよくあります。このような場合に、「言語Aにおいて、BとCの違いは何だろう」と言われたときには、やはり自動翻訳ではない語学の力で、調べて理解しなければならないのです。

外国語を勉強する理由2: 自動翻訳には限界があるから

自動翻訳と翻訳者は、盲導犬と視覚障害者のようなものです。盲導犬がなければ視覚障害者は転んでしまいますし、盲導犬だけでは何の意味もありません。盲導犬が意味を持ちその仕事を遂行するためには、視覚障害者のそばにいなければなりません。両方を持つことで、より良い訳ができるようになるのです。自動翻訳では、間違いや余計なことをすることもありますが、それを制御し「こっちが正しい」と言うためには、やはり語学力が必要になるのです。自動翻訳が暴走し酷い訳をしないためには、適切な抑制力と道を指し示すことが必要なのです。Google翻訳やDeepL翻訳の精度が向上しても、いずれそこには限界があり、AIでは越えられない壁があるのです。しかし、AIなしでは翻訳の質は下がってしまいます。翻訳者はCAT Toolというものを毎日使うのですが、それは「コンピューターが手助けする翻訳のためのツール」という意味で、それがなければもはや翻訳の仕事は成り立たないようになっています。自動翻訳を過信しないためには、やはり語学力が必要となるのです。

外国語を勉強する理由3: 終わらない旅の楽しさを味わうため

語学学習には、終わりがありません。日本語でN1、イタリア語でC2、中国語でHSK 6を取得してからがはじまりだと、よく言われます。最初は、最高のレベルに達することは、到底実現可能にないゴールに見えますが、一度ここにたどりついてしまうと、どれだけの知識が自分に足りないかということに改めて気づかされるのです。この終わりのない旅をずっとしていられることは、とても幸せなことです。この楽しさを説明するには、やはり体験することしかありません。旅に出ないと見られない景色が、旅に出ないと体験できないいろいろな楽しいことが、ここでは語り切れないほどたくさんあるのです。

外国語を勉強する理由4: 外国人の友達が作りやすくなる

外国人の友達なんていらないと思っているなら、それはもったいないことです。なぜなら、狭い世界で生きているからです。外国人の友達がいると、「自分が生きている世界」がいかに狭く限られたものであるということに気づくのです。そして、趣味のコミュニティがより大きくなります―たとえば、日本にいる鉄道ファンの人数よりも、日本とイタリアにいる鉄道ファンの人数のほうが明らかに大きいですよね―。言語の壁はやはり大きいものです。

外国語を勉強する理由5: 仕事の幅が広がる

日本語しかできない人間が履歴書を送れる仕事と、日本語と英語ができる人間が履歴書を送れる仕事であれば、明らかに後者のほうが多いですよね。私がしている翻訳の仕事も、語学力があるからこそできるものです。そして、時給10ユーロの仕事よりもはるかに良い額を受け取ることができるのです。それは、プロフェッショナルな仕事全般に言えることですが、その仕事を遂行できる人間が少なければ少ないほど、給料は高くなるのです。そして、たとえばシステムエンジニアをする場合にも、英語ができれば、英語圏でのより待遇の良い仕事に応募することができるようになるのです。そして、持っている能力で、仕事を遂行するのに一番良い場所を選んでそこで働くことができるのです。日本語しかできない場合に海外で就職するのは難しいことですが、そのハードルを大きく下げることができるのです。

外国語を勉強する理由6: 語彙が豊かになり、感情表現が豊かになるから

目の前にある綺麗な花を見て「綺麗だな」と思うだけではなく、「可憐で優美だな」と思うことができれば、表現の幅が広がります。外国語として母語を見つめ直すことができるのも、外国語学習の特権です。語彙を増やし語彙力を高めるには、外国語を学ぶことで知らなかった言葉を覚えることができるのです。語彙が増えるということは、それだけ感情が豊かになるということです。「悲しい」としか言いきれない感情もありますが、「切ない」という言葉を知っていれば、その感情、心の動きをよりよく理解することができるでしょう。

外国語を勉強する理由7: ニュースを多角的、複眼的に見ることができるようになる

日本で暮らしていると、日本語のニュース(NHKなど)を見ることがほとんどです。しかし、インターネットという文明の利器があれば、簡単に世界中のニュースを見ることができます。日本には伝えられないニュースや、海を越えて伝わらなかったニュースを読むことができ、国際情勢をより深く、より多くのことを知ることができるのです。アルジャジーラから見る世界と、BBCから見る世界と、Raiから見る世界は全く違うものです。そして、それを理解するためには、自動翻訳だけでは物足りないのです。

外国語を勉強する理由8: 頭の体操になる

脳は使わないと老化します。外国語を学ぶことは、脳の老化を防ぎ、脳を活性化させることに繋がります。外国語を学ぶことで新たな知識―言語的なものだけに留まりません―を得ることができ、それは飽くなき知性への欲求を渇望させます。「もっと知りたい」という気持ちを持つことは、外国語学習に留まらず、新しい可能性を与えて新しいことをたくさん吸収できるようになるでしょう。そして、普段使わない脳のスペースを有効活用することで、その他の学びにも有効なメソッドやノウハウを手に入れることができるのです。

外国語を勉強する理由9: 成果が良く見える結果になる

たとえば、好きな人を振り向かせ恋人になる、ということは、あなただけの努力で解決する問題ではありません。世界平和を願っても、残念ながら、あなただけで成し遂げられるものではありません。しかし、外国語学習というものは、あなただけの力で結果を出すことができます。頑張ったら頑張ったぶんだけ、その結果が目に見える分野なのです。たとえば、1000時間勉強したからHSK 4級に受かった、などとデータとしても検定試験の結果を通して見ることができます。それは就職や大学入学に役立つだけではなく、あなたに「これだけ頑張ったんだ、努力した私はえらい」と自己肯定感を高めることにもつながるのです。他人に干渉されずに目標を叶えることができるのです。自己実現欲求はマズローの欲求の最上位を占めていますが、それを手に入れられた時の喜びは格別です。

外国語を勉強する理由10: 結果がスモールステップで理解できる

検定試験は「初級」「中級」「上級」などの曖昧なものではなく、「1級」からたとえば「5級」まで細かく分かれています。そのため、初学者でも目標が高すぎると感じることなく、結果を出すことができるのです。そして、大学受験はだいたい1度きりのチャンスで、それを逃すと1年待たなければなりませんが、語学の検定試験は1年に複数回行われるものが多く、そのため、都合の良い日に比較的容易に受けることができるのです。そして、残念なことに不合格だった場合でも、次のチャンスがあるのです。不合格は人生終了の合図ではありません。

最後に

これはどうでも良いことなのですが、語学力が高い人は語学力を生かした仕事(通訳、翻訳、言語教師など)として実益の伴う仕事にもなるだけではない、たくさんの語学を学ぶ魅力をここでは語りました。

しかし私が一番マルチリンガルである喜び、語学を自分の力で習得した喜びを感じるときは、外国語の音楽を聴いたときです。最初は歌詞が聞き取れず、何を言っているのかわからず、それでも異国の音楽をむさぼるように聞いていたけれども、だんだんとその意味や行間に書かれている文字が見えるようになり、文化や歴史の違いを理解して歌詞の意味をより深く理解できるようになり、そして自然に聞き取れるようになったときの喜びは、言葉にできないほど素晴らしいものです。

終わりのない旅に、同じ船に乗って一緒に出港しませんか。

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