こんにちは。ほのかです。
今日は「洋書の読み方」を皆さんにお教えします。ここでの洋書とは英語で書かれた本に限らず、外国語で書かれた本全般のことを含みます。
洋書を選ぶときは、絵本や小説を選ばない
これはイタリア語やフランス語、スペイン語など、過去形が複雑な言語で書かれた本について、とくに言えることです。
絵本の場合、遠過去という難しい時制が使われていることが多く、お勧めできません。さらに遠過去は日常生活であまり使われない表現なので、それよりは近過去や半過去が多く使われている本、つまり絵本や小説などではなく、エッセイやノンフィクションを選んだほうが無難です。
英語においても同じことが言えますが、英語の場合はそこまで意識しなくても大丈夫です。
中国語などの場合は、このアドバイスは無視できます。
そのため「こども用の本は簡単だろう」ということは、一概には言えません。
興味のある本を選ぶ
これは洋書に限ったことではありませんが、興味のない分野の本を選んでしまうと、読み切ることができずに結局積読になってしまいます。
積読が起きる理由の一つは、読んでみたら案外面白くなさそうだったということだろうと思います。私も積読をよくやってしまいますが、洋書を読むということは日本語の本を読むよりもはるかにエネルギーを使うことです。面白くなければやってられません。
自分が好きな分野のノンフィクションやエッセイを選ぶことが無難です。ノンフィクションでも、あまり専門分野の本を選んでしまうと専門用語が多くて挫折してしまいますので、注意が必要です。
「外国人向けの本」を選ぶか否か
前述のとおり、こども向けの本を選ぶことはお勧めできない場合があります。それでは「外国人向けの本」を選ぶことはどうでしょうか?
一般的に、メリットとしては語彙や文法がうまく調整されていたり、難しすぎない表現になっていたりと、読みやすいものになっています。
しかし、ネイティブが自然に使う表現からはかけ離れていたり、ストーリーが面白くなかったりします。
私の場合は、そのような本は高校時代に読みましたが、自分には合いませんでした。
別の外国語からの翻訳本を選ぶべきかどうか
私は現在、「夜と霧」のイタリア語版(uno psicologo nei lager)を読んでいます。心理学や精神医学、トラウマやグリーフケアに興味がある私にとって、一度は読んでみたい本でした。
この本はドイツ語で書かれているため、翻訳者がイタリア語に翻訳しています。
このような場合、外国人(ネイティブではない人)が書いていると、言語として自然な表現になっていないことがあります。そのため、翻訳本を選ぶときには、ネイティブが翻訳しているかを選ぶときに気にしたほうが良いです。私が持っている本は、イタリア人が翻訳しているので、文章はイタリア語的にとても自然なものになっています。
ここからは、洋書の読み方について書いていきます。
手書きで全文を書き写す
ただ読んでいるだけでは、集中して読むために十分とはいえません。
実際に外国語の単語を覚えるときには、何度も書いて覚えた人が多数派だと思います。少なくとも私はそうでした。
そのため、ノートやルーズリーフに全文を書き写していく方法をお勧めします。
どんどん文字となって紙を消費するので、やりがいにも繋がります!
さらに、原文にあるリズムなどを感覚的に理解することにも繋がり、書いていくことで一種のリラックス効果もあります。
とくに文字(漢字など)が多い中国語や台湾華語の場合、文字を覚えるためにも書いていったほうが良いです。書くことにより、漢字を覚えることにも繋がります。
韓国語などのラテン文字を使わない言語の場合も同じで、その文字に慣れるためにも、とくに初級者であればあるほど、書くことによって覚えていく効果が期待できます。
全文を書くのが面倒だと感じる方へ
どうしても全文書くのが面倒だと言う方は、全文をWordファイルなどに起こしても良いです。そうするとわからない単語を機械翻訳や検索にかけるのが楽になります。しかし、最終的にはそれを印刷して書き込むことをお勧めします。
自分の手書きの文字が雑で、あとで読み返せなくなるという方にもお勧めします。
しかし、次に示す「効果的な書き方」を必ず守ってください。
効果的な書き方
7mm罫線もしくはそれ以上に太い罫線を使う場合は、1行目に原文を書いたら、2行目は空けておきます。そこに後述するように日本語訳を書いていくようにしてください。
3行目にはまた原文を書いていきます。
6mm罫線もしくはそれ以上細かいものを使う場合は、3行目を空けて4行目に原文を書くことにより、ノート全体にゆとりが生まれます。
全文をWordなどに文字起こしする場合は、行間隔を2倍以上にすることによって、印刷した際に手書きで日本語訳を書くためのスペースを確保してください。
訳し方
ただ全文書き写すだけなら、コピーしたほうが時間も節約できて得です。
手書きの利点は、余白が空けられることです。
訳を書く時には、全文訳しても良いですし、わからない単語だけを訳しても良いです。それは本の難易度に応じて決めるべきです。本を訳なしで読んだときに、つっかからずに読めるのであれば、全文を無理に訳す必要はありません。
ここで、ポイントをいくつか説明します。
誰かに見せるものではないので、字はこれくらい雑でも構いません。訳もあとで自分が見返して意味が通ればそれで構いません。丁寧に書いたり完璧に訳したりするのは目的ではありません。あくまでも自分の語学力を上げるため、楽しむために洋書を読むということを忘れないでください。
なるべく辞書を引くことをお勧めしますが、紙の辞書である必要性はありませんので、自分に合った辞書を使ってください。最近はアプリケーションになっている辞書もあります。
参考程度なら、自動翻訳や機械翻訳でも構いません。Google翻訳の精度は、日常生活で使う分には差し支えないものになってきていますが、よりよく訳すためにはいくつかコツがあります。それは慣れることで習得していくものです。Deeplという翻訳ソフトを使うと、より高精度の翻訳をすることもできます。私は翻訳者ですが、自動翻訳を過小評価しているわけではありません。
大事なのは、可読性です。そのため、原文(この例では青色)と訳文(この例だと紺色)で色分けすることが大事です。たとえば赤と青のようにあまりにコントラストが強い色だと目が疲れてしまいますので、そこは好きなように考えてみてください。
蛇足ですが、私は万年筆を使っています。手が疲れないし経済的なのでお勧めします。
私が愛用している万年筆の中で、もっとも安いのはこちらです。

紺色(ブルーブラック)のインクはこちらです。

毎日少しずつでも訳すこと
言語は生きているものです。毎日使わないと、単語や文法を忘れてしまいます。そのため、1日に20ページ訳して2週間放置するのではなく、1日3行でもいいから訳していくことをお勧めします。
これがこの記事で書いていることで一番大事なことで、あとはおまけに過ぎません。
私の翻訳の仕事は土日にはないので、土日にはなるべく英語やイタリア語に触れるようにしています。
毎日勉強することは自信になりますし、明日作業に取り掛かるハードルを下げてくれます。
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