こんにちは。今日(2021年11月23日)は、イタリアが悲しみに包まれる日です。41年前の1980年のこの日に、マグニチュード6.9の地震がイルピニア(ナポリ近郊の地域の古い名前)を襲い、2914名の方が命を落としました。しかし、この震災において津波は発生していません。
「私は南イタリアが死ぬのを見た」
この言葉はAlberto Moraviaさんが現地の悲惨な状況を見て言った言葉です。実際に、被災地が直面した問題は、初期の救助の遅れでした。この震災を機にイタリア市民保護局(Protezione Civile)が結成されたのですが、実際に救助が遅れたせいで失われた命も多くあります。
その悲劇の象徴は、ポテンツァ県のバルヴァーノ母教会の天井の崩壊であり、66人の人々、主に子供と10代の若者が生き埋めにされ、世代全体が消えてしまったのです。 ナポリでも地震が激しく感じられ、人々は夜を(少しでも安心できる環境で)過ごすために通りに押し寄せました。
(引用: https://www.lanazione.it/cronaca/terremoto-irpinia-1.7045414)
復興の恥(vergogne della ricostruzione)
被害総額が8兆リラを越えたこの震災の復興のために(出典: 理事会議長国の代表)、現在までに、5兆9200億リラ(260億ユーロに相当)以上のお金が使われています。(出典: イタリア上院の資料)しかし、被災地の復興はまだ終わっていないのです。かつて私が見たサイトには(現在は記事が削除され、アクセスできなくなっています)2023年までに道路工事を終わらせる予定だと書いてありました。復興において集まったお金は決して「綺麗な」方法では使われず、汚職やマフィアとの癒着などのため、被災者のために使われたお金はあまり多くはないのです。
こころの復興のために
ジャーナリストのAntonietta De Lilloさんが撮った写真の展示会は、2022年まで行われています。写真は100枚以上にのぼります。
詳細: https://napoli.repubblica.it/cronaca/2021/11/22/news/mann_de_luca-327399583/
https://artemagazine.it/2021/11/22/il-mann-di-napoli-ricorda-il-sisma-del-1980-attraverso-gli-scatti-di-antonietta-de-lillo/
S. Angelo dei Lombardiという街で市長をしていたRosanna Repoleさんは、「いまでも亡くなった人のにおいに苦しめられている」と語っています。
出典: https://www.tv2000.it/tg2000/video/terremoto-irpinia-ex-sindaco-s-angelo-dei-lombardi-sentito-odore-di-morte-per-anni/
前者は希望であり、後者は絶望であると決めつけるのはあまりにも短絡的ですが、被災地でも少しずつ「こころの復興」に向けた動きが行われています。
震災後のPTSD(心的外傷後ストレス障害)については、こちらの資料が詳しいです。 http://www.osservatoriosuldoposisma.com/campania-basilicata/memoria/campania-basilicata/le-conseguenze-post-traumatiche-da-stress-dopo-il-sisma-del-1980
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