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This blog is written by a blogger and YouTuber, a university student currently living in Kyoto and Rome, about studying abroad in Italy and other thoughts and feelings.
京都とローマの二拠点生活をしているブロガー兼YouTuberである大学生が、イタリアでの留学生活やその他感じたことについて書くブログです。
Questo è il blog di una studentessa universitaria, blogger e YouTuber che vive a Kyoto e a Roma, che scrive della sua vita da studentessa in Italia e di altre cose che sente.

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中国の高校生活および大学入試―「模範的な学校」か「強制収容所」か

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こんにちは。たまたまYouTubeで中国の高校生活が全て大学入試のために費やされるという趣旨の英語での動画を見たので、そのコメント欄などの情報をもとに記事を書きます。

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衡水中学(河北省)を例に―「模範的な学校」か、それとも「強制収容所」か

では最初に、日本のメディアから記事を引用する。

競争が激化する中、統一試験で好成績をたたき出すことに特化した高校もある。河北省衡水市にある衡水中学(高校)は、「高考工場」「受験訓練所」「鬼の強制収容所」などと呼ばれ、全寮制でスパルタ教育を行い、高い進学率を実現している。高校3年間で休日はほぼなし。毎日のスケジュールは秒刻みで、忙しすぎて「歩くことが存在しない」といわれるほど。生徒は校内での移動でも常に走っているという。教室内に監視カメラがいくつも設置され、全ての生徒が学校の監視下にある。

引用(日本語):

中国の過酷な受験戦争を勝ち抜いた若者が「寝そべり族」になってしまう理由
中国の若者たちの間で、過酷な競争社会を生き抜くことを諦め、最低限の生活を送ることを志す「寝そべり主義」が流行している。中国では格差が拡大し、厳しい受験戦争に打ち勝ったとしても、就職や都会での生活に苦戦する人が少なくない。若者たちの間で広がる静かな抵抗と、その裏側にある厳しい競争社会について見ていこう。

高校入試の段階で、金銭的な負担と勉強を強制

しかし、この学校に入ることはとても難しい。この学校、つまり衡水中学に入るための入学試験で良い成績を取ると学費がかなり抑えられ経済的にも救われるが、そうでない場合や他の地域(北京など)から来る場合は法外な料金を払わなければならない。それはまさに日本の一部の私立大学が行う大学入試の仕組みのようだが、構造はまるで違う。日本の場合はレベルの低い私立大学が優秀な生徒を学生にするために、特待生制度を作り、格安の代金で入学できるようになる。たとえば私は特待生として合格したため、1年間の授業料である5000ユーロ程度の金額が無料になった。しかし、このような制度があるのは一部の金銭的に余裕があるが学力がない生徒が多い私立大学であり、優秀な生徒が通う国立大学ではない。なお、私はこのように書いたが、この制度に不満はない。ただイタリアの大学に合格するまでに通っていたその私立大学が、別の意味でひどいものであったことは言わなければならない。

衡水中学に話を戻そう。浪人生などの学費は年間2万5000人民元、これは3000ユーロに相当するが、これは中国の平均月収が8000ユーロであることを考えると、とても高い額である。

恋愛も友情も余暇もない、退屈で心を病むような学校生活

衡水中学は1951年に創設された。生徒数は約1万人である。これは浪人生や河北省以外の生徒を受け入れているからである。しかし、生徒たちはお互いのことを知ったり、恋愛したり、自己分析したり、夢を描いたりする時間はなく、起きていても寝ていても、勉強のことや進路のことばかりを考えることを余儀なくされる。そのように大人から教育され、そしてそれを一部の人は「洗脳」と呼ぶのである。このような生活は、ヨーロッパの自由やワークライフバランス(仕事と生活の間のバランス)を尊重する生活に慣れた私達からすれば退屈に見えるのは間違いないだろう。事実、多くの生徒(もちろん公式な統計はない)が心を病み、抑うつ状態や不安状態に陥る。そして一部の生徒は退学をしたり、自殺をしたりすることもある。しかし、これらのことが語られるのが少ないのは、勉強以外に価値を見出していない教師のせいであり、生徒のメンタルヘルスの問題などは決して明らかにはならず、遺族だけがつらい思いをするのである。

衡水中学の一日

ここで、衡水中学の典型的な一日を紹介する。

午前5時30分-起床、身支度
午前5時45分-ランニングエクササイズ
午前6時-朝の読書
午前6時30分-朝食
午前7時10分-朝の学習
午前7時45分から午前8時25分-最初の朝のクラス(各40分)
午前8時40分から午前9時20分-2番目のクラス
午前9時35分から午前10時15分-3番目のクラス
午前10時30分から午前11時-4番目のクラス
午前11時15分から午前11時55分-5番目のクラス
12:00-昼食
午後12時45分から午後1時45分-昼寝
午後2時5分から午後2時45分-最初の午後のクラス(各40分)
午後2時55分から午後3時35分-2番目のクラス
午後3時45分から午後4時25分-3番目のクラス
午後4時35分から午後5時15分-4番目のクラス
午後5時25分から午後6時5分-5番目のクラス
午後6時15分-夕食
午後6時50分から午後7時10分-ニュース放送の閲覧
午後7時15分から午後8時-最初の夜のクラス(各50分)
午後8時10分から午後8時55分-2番目のクラス
午後9時5分から午後9時50分-3番目のクラス
午後9時50分から午後10時10分-身支度
午後10時10分-消灯、就寝。

ここで、衡水中学の典型的な一日を紹介する。以上に述べたように、休む時間はなく、昼寝さえも勉強の効率を上げるためのものだ。ニュースを見る時間も、世の中のことを理解し入試の点数を上げるために使われるものだ。当然、不眠気味の生徒は10時10分に消灯されたとしてもすぐには眠れないが、それでも朝5時30分には起きなければならないのだ。そして、身体的および精神的な理由で体調が悪かったとしても、軍隊のような仕組みのランニングは必須であり、倒れたり遅れたりした場合にはチーム全員に罰則が用意されている。そのため、敏感な生徒は落伍することを恥であり罪と理解し、当然誰にもこの不満を言うことは許されない。そのため、ランニングはリラックスする時間ではなく、体を鍛えて受験に打ち勝つだけの体力を作るための時間なのである。全ての行動には必ず時間が割り振られているため、「自由時間」すら存在しない。近年、メンタルヘルスを向上させるうえで瞑想と日記を書くことが重要視されていて、日記を書くことでグリーフにも対応できるとされているが、もちろんそんな時間はない。音楽を聴く時間も、家族と話す時間も、すべてを奪われる。

過酷な競争の果てに残された「唯一の希望」

ここに述べたような生活は、多くのヨーロッパ人にとっては、アウシュヴィッツ強制収容所を思い起こさせるような、到底受け入れがたいものであるだろう。自由を奪われ、悩み事を相談できる人はどこにもいなくて、そして社会が求める形(それがユダヤ人の絶滅であろうと、有名で優秀な大学に合格することであろうと)にひたすら矯正されるものである。しかし、この中国の過酷な受験戦争は、彼らにとって残された唯一の希望なのである。良い大学に行き、良い企業に就職し、そして高い給料を得て家族とより良い生活を得るためのチャンスが、この大学入試であり、そしてその大学入試を勝ち抜くことができれば、より良い生活が待っているのだ。より良い職業に就くための方法が、一部の恵まれた王族などに限られず、一般の市民にも開かれているということは、中国の科挙のような入試携帯からも見て取れるように、歴史的な事実なのである。

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